池田コレクションとは
 当館所蔵品の中核をなす「池田コレクション」は七尾市名誉市民の池田文夫氏(1907〜87)が蒐集した美術品です。池田文夫氏は七尾市出身で、岐阜県大垣市を拠点に経済人として幅広く活躍しましたが、他方で美術品に対する愛着も一方ならず、様々な国内外の優れた作品を求めました。
 氏は昭和62年に没しますが、その翌年にご遺族より七尾市に対して氏の蒐集美術品より茶道具を中心とした125点が寄附されました。
 当時七尾市には美術品を保管・展示する施設がなかったことから、本寄附を契機に美術館を望む声が高まり、当七尾美術館が建設されました。いわば「池田コレクション」は、当館の「生みの親」といえるでしょう。
 その後、当館が開館した平成7年より同17年にかけて美術品の追加寄附があり、現在「池田コレクション」は計170点となっています。
 本コレクションは茶道美術品を中心とした日本美術で占められており、その内容は陶磁器や近現代日本画、浮世絵や彫刻などバラエティ豊かであり池田文夫氏が拠点とした岐阜県及び出身地である石川県ゆかりの作品が多く含まれています。

(右) 織部すすき文徳利
制作年代●桃山時代(17世紀)
法  量●径8.3cm 底径6.5cm 高16.1cm

 織部は桃山時代を全盛期として現在の岐阜県美濃地方で制作された美濃焼の一種で、形や色、文様などに見られる意匠の奇抜さ、自由闊達さを特色としている。
 底部から腰部にかけて段を作り、胴部はやや胴張りで立ち上がる。頸は極端に窄まり、口縁は外に折り返して端を垂直に折り上げている。頸から肩にかけては緑釉が掛かり、六箇所で釉なだれが起き、長石釉が掛かった胴部にはススキと松を鉄絵で描いている。
 本品の様に緑釉と白釉を塗り分けたものを青織部と呼び、織部の中では代表的存在である。